アダルトチルドレンとは?

 

アダルトチルドレン(AC)とは、子ども時代に親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷ストレス障害)を負ったと考えられている成人のことを言います。

 

世代に渡り、親自身がアルコール・薬物・性的・ギャンブルのどれかに依存していたり、仕事中毒であるワーカーホリックといった嗜癖(しへき)アディクションを持っています。

そのような親の元、家庭内で弱い立場にある人に対して、身体的・精神的にダメージを与え、子育てや生活全般が健全に機能していない家庭環境を機能不全家族といわれています。

 

虐待やネグレクト(育児放棄)だけでなく、家族同士、夫婦関係の不仲や暴力による対立、暴言、生活貧困、子どもに対する過剰な期待、自立を妨げてしまう過干渉も機能不全家族にあたります。

 

その特徴は?

 

  • 人と親しくなれない。
  • 人を信用できない。
  • 心の底から楽しめない。
  • いい人いい子でありたいためにわがままが言えない。
  • 怒れない、泣けない、弱音を吐けない。
  • 見捨てられる不安や恐怖がある。
  • 死にたい気持ちになることが多い。
  • 疎外感を感じて人の中に溶け込めない。
  • 焦る気持ちがあってくつろげない。
  • 人と比べて自分がだめだと感じてしまう。
  • 他人を優先してしまう。
  • どうしたらいいのか自分で決められない。
  • 自分に自信がない。
  • 自分を信じることができない。

 

アダルトチルドレンと敏感さんとの関係性

 

繊細で敏感な人ほど、機能不全家族という過剰なストレスを抱えた家庭環境での生活を余儀なくされていることが多いです。

相手の気持ちに共感し繊細に感じ取れるからこそ、その家庭内での独自のルールや一方的な観念にしばられやすく、家族や周囲に対して必要以上の我慢や犠牲を背負わされてしまいます。

 

自分らしく好きなことをする、あるがままに生きがいを持つこと、自分に正直に自由に生きることは自分勝手な行為と拒絶され、たとえ、自分の意向や気持ちを表現できたとしても、当然受け入れてもらえません。

相手との距離が近く境界線が薄い敏感共感気質は、恐れを垂れ流され否定で抑えられ続けることで、自分の感覚が麻痺してわからなくなります。そして、世間体を気にした親や家族の意向へと生き方や進路をコントロールされやすいのです。

 

そうなると、存在意義や自分の存在そのものを見失い孤独感や無力感に苛まれてしまいます。

 

自分を好きになれない、やる気が起きない、自分で決められない、自信がないなど、常に誰かに答えや指示を探してしまうなど、機能不全家族の環境である他人軸の生き方をしているひとは、敏感、繊細なひとに限らず、非常に多くあるパターンです。

このパターンは、自分の思いを認められることも褒められることもなく、怒りや悲しみ、弱音の感情を受け止めてもらえないので、気持ちの吐き出しの場所を失い押し込めてしまいます。

 

押し込められた感情は、未消化の心の傷(トラウマ)として、奥の深い意識に蓄積され堅く閉ざしながら存在します。

 

時間がたてば当時の出来事を忘れることはあっても、そういった心の傷が自動で消化されることはないのです。

カウンセリングやセラピーを通し、自分のおかれた背景やメンタルの見直しとケアが必要不可欠なのです。